以前、「美篶堂長野伊那工場見学の様子」というブログを書きました。『せんはうたう』初版の、手製本の様子です。このたび『せんはうたう』の5刷を発行することになり、この機会に是非印刷も見学したいと考えて、美篶堂の上島明子さんとふたりで、富山まで出かけてきました。
山田写真製版所には、伝説の「プリンティングディレクター」がいらっしゃる、ということは、『せんはうたう』の印刷会社を決めたときに、明子さんから聞いていました。初めての本作りをする私と何度も打ち合わせして、常に支えてくださったのは、東京本部の板倉利樹さんですが、富山には「せんはうたうブルー」を作り出した、「プリンティングディレクター」熊倉桂三さんがいらっしゃる。どんな方なんだろう、とドキドキしていたら、明子さんが「熊倉さんは加山雄三に似てると巷で噂なんです。私もそう思います」と… ますますドキドキしてしまいます。
本社のロビーで。うしろのポスターが素晴らしい。
見学日に合わせて、あらかじめ本文用紙の裏の印刷を済ませてくださっていました。
特別に調肉(調整)された「せんはうたうブルー」です。
巨大な印刷機から試し刷りの用紙が出てきます。
大胆にはさみでカット。
見本と比べて、色を合わせます。
作業はてきぱきと進み、どうやらOKがでたらしい。
こちらは別丁扉。目視だけでなく色の数値を図る機械もあります。
表紙カバーは印刷直後はしっとりと濃い色です。ドライヤーで乾かしてみる!
完全に乾いているものと、少し乾かしたもの。
完全に乾くのを待っているわけにはいきませんので、乾いたときの色を見越して
OKサインを出します。さすがプロの仕事ですね。
刷りたての『せんはうたう』用紙を、明子さんと1組ずついただきました。
初めて「印刷」を間近にみて、大きな機械にも圧倒されましたが、何人ものスタッフが動き回り、私には分からない専門用語で手短に指示を出す、「職人集団」といった雰囲気にも圧倒されました。
数年前に、『世界一美しい本を作る男〜シュタイデルとの旅〜』という映画を観ましたが、熊倉さんはまさに日本のシュタイデルと感じました。見学させていただいて、本当によかったです。
本社の屋上から眺めた立山連峰も、印象的でした。ありがとうございました。