お待たせしました。予告してからひと月以上が経ってしまいましたが、見学時の様子を詳しくお知らせします。解説文は、忙しい工場長・上島真一さんに代わり、美篶堂ショップ店主・上島明子さんに書いていただきました。写真はすべて、谷川淳さんの撮影です。なかなか目にすることのない、手製本の工場内部をご覧ください。
美篶堂入口に掛けている看板です。1983年、東京神田で製本を修行した親方が故郷を思い、屋号にして、1990年に伊那の美篶に製本所を作りました。
工場入ってすぐは出荷前の検品作業、出来あがった「せんはうたう」がどんどん積まれているところです。
すでに、本文を頁順に並べる作業、丁合(ちょうあい)は済み、見返しを挟んで行く作業。
背固め(せがため) 慎重に作業をしていくため、今回の糊入れは4冊で進行。
寒冷紗(かんれいしゃ)を貼り、背紙を貼って乾かしてから、ナイフでカットします。
化粧断(けしょうだち) 背中を固めたあとに本の三方をきれいに断裁していく作業が通常なのですが、今回は小口が袋状になっている「袋綴じ」なので、天地2ヶ所を数ミリ裁ち落とします。
断ち落としをデザイナーの大西さんにおみやげに持ちかえっていましたね。
美篶堂工場長の上島真一に質問する、ゆめある舎・恵さん。
フランス表紙をおったところ。伊那谷仲間、地元の就労継続支援(A型)施設ハッピークローバーの皆様にも表紙を折る作業を手伝ってもらいました!
ブックケースに仕上った本をセットしていきます。
真っ白なブックケースが汚れないよう、袋詰めして完成です。
美篶堂の頼もしいパートスタッフは全員が地元の方々。
屋根裏図書室からみた工場内です。
「せんはうたう」のほかに数冊のご本の依頼が重なり、美篶が活気に満ちた春でした。これからもこうした本づくりを続けていけるよう、日々精進致します。伊那谷はこの頃は桜が終わり、新緑美しい頃でした。
製本作業中は雑然としていますが、オリジナルノートや美篶堂の製本キットの販売もしています。伊那市駅から車で15分のところ不便ではありますが、お車で伊那にお越しの際は、月曜日~金曜日8時半~17時の間はスタッフが製本しておりますので是非お立ち寄りくださいませ。